「変える力」

Apple社のロゴマーク
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 『変える力』について考えたことはあるだろうか。

 

 Apple社の元CEOであったスティーブ・ジョブズ氏の訃報は、私たちの記憶に新しい。

 ジョブズ氏 といえばパソコンやそのOSであるMACに始まり、iPodやiPhoneといった、日本でも大ヒットした製品を軸に事業を拡大させた、いわゆる『天才』だ。

 その類稀なるカリスマ性は、彼の死後もなお、人々の心を掴んで離さなかった。

 

 今回は彼と『変える力』、そして日本と『変える力』について筆を進めていこうと思う。

 

 

 

 1.ジョブズ氏の『変える力』

 

 

 彼の型破りで臍の曲がった性格はジョブズ氏関連の本を一冊でも読めばすぐに知ってしまえる程のものだが、それでも彼を尊敬する者は数えきれない。

 どれだけ彼の完璧主義と気まぐれのために振り回されようと、「あれが人生で最高の仕事だった」と言った部下さえいる。

 

 つまり、好きか嫌いかのベクトルの向きは別として、人々の関心を引いて止まないカリスマ性を持っていたのだ。

 

 彼のカリスマ性は留まることを知らない。

 Appleのもう一人の創設者であるスティーブ・ウォズニアック氏に自作のコンピュータを売ろうと持ちかけてその気にさせたり、ペプシコーラの重役であったジョン・スカリー氏を当時先行きも不安であったAppleの社長に転職させたりと、ジョブズ氏の引力は大きかった。

 特にスカリー氏をAppleに誘う時にジョブズ氏が言った言葉は、最早伝説と化している。

 

 

このまま一生砂糖水を売り続けたいか、それとも世界を変えたいか?

 

 

 ジョブズ氏の人を『変える力』は、一級だったと言える。

 

 

 ジョブズ氏の『変える力』が作用するのは人だけではない。ビジネスの観点でも、彼の力は作用する。良い例が、iPod。

 この製品と著作権を守りつつ音楽ダウンロードを可能にしたiTunesのタッグにより、それまでCDを買って手に入れるものであった音楽業界は大きく根底を揺るがされた。

 

 当時のデジタルオーディオプレイヤーとして主流であったMP3プレイヤーとは一線を画す膨大な容量、iTunesの特徴とも言える再生リストの自動生成による抜群の使いやすさを誇り、全世界を魅了した。

 それまでCD派であった人々もインターネット上でのクリック一つで音楽を手に入れる新感覚に馴染んでいく。ビジネスを『変える力』である。

 

@マイクロジャーナル
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2.日本と『変える力』

 

 

 さて、ジョブズ氏の『変える力』について述べるのはここまでで充分なことだろう。

 日本人、そして創大生である私たちが考えるべきは日本の未来である。

 

 

 忘れがたい3.11以降、政府はどうにかこうにか東北ないし日本を元に戻そうと必死である。

 確かに、東北大震災は震災以前から日本国債の格下げに見られる不況や冷え込む雇用、加えて汚職や総理の度重なる交代で政治に対して増す一方の国民の不信と不安といった現実を、更に悪くするかのように起こった未曽有の大震災だ。

 

 だが、発想を変えればこれは新しい事業の幕開けとも取れるように思う。

 

 原子力に代わる新たなエネルギーの開発、新たな事業開発、新たな東北、新たな日本。もしかすると、「元に戻す」だけでは惜しい機会を私たちは手にしたのではないだろうか。

 多数の『変える力』を統合してこそ成り立つ新しい世界を創造していくのは、私たち若い世代の使命である。

 

 

 

 しかし、現に私たちのような若い世代、いや日本人全体を見た時、果たして『変える力』を持っているかは甚だ疑問だ。現状に甘んじる所か、どこか第三者的に私たちの国日本を見てやいないか。きちんと日本の責任者であるか。そして責任者である自分は心もとなく揺れる日本を『変える力』を持っているのか、己に聞いてみてほしい 。

 

 現状に沿うだけでなく、ここぞという時に壁を打破する、まさにジョブズ氏が持っていた力。それを養い、奮うべきなのは、今である。その力は個人が持つだけでは今の日本を前進させるに程遠い 。

 

『変える力』は私たち一人一人が持つべき力なのだ。私にはそう思えて仕方がない。

 

 

 

 

 

writen by KOTOMI MASUDA